いびきについて
軽い「いびき」はよく熟睡の証拠ですが、一緒に寝ている人が目を覚ますような「いびき」や聞いていて息苦しくなるようないびきは、けっして熟睡しているのでなく「いびき」をかいている本人にかなりの負担がかかっていることがわかってきました。
このページでは、症状からいびきのメカニズム、治療方法まで「いびき」についての情報を耳鼻科医の立場からわかりやすく解説していきます。
鼾(いびき)について
どんな病気?
いびきがひどく、睡眠中に10秒以上息が止まるという事が見られ、それにより昼間に眠気をはじめとするさまざまな症状が出てくる病気をいいます。
症状はあるのか?
鼾(いびき)がうるさいと言われてから日中頻繁に眠気に見舞われるようなら以下の項目に注意です。
- ベットのパートナーから「いびき」がひどくて息苦しそうだと言われた。
- 昼間、大事な会議中にもかかわらず眠ってしまうことがよくある。
- 朝、なかなか自分で起きられない。
- 夜中トイレへ何度も行く。
- 夜中何度も目を覚ます。
原因
寝ているときに空気の通り道(気管)が閉塞することが主な原因です。
舌の付け根や軟口蓋と言われているところが気道へ落ち込んだり、首のまわりに脂肪がついたりアデノイドや扁桃肥大、舌が大きい、鼻が曲がっているなどが挙げられます。
治療
鼻詰まり、咳、鼻汁等の改善
まずは上気道症状(鼻詰まり、咳、鼻汁等)の改善を目指します。
減量
肥満がある場合(BMIが25以上。BMIとは体重÷身長の二乗)、BMI=23を目標に減量します。
手術療法
喉の手術(UPPP)が中心です。解消(1時間あたりの無呼吸の回数が30未満程度)の方が対象です。改善率は60%未満で改善率が低いのが欠点と言えます。但し、小児の場合は手術がかなり有効です。扁桃腺とアデノイドを切除する手術でほとんど改善します。
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure ; シーパップ)
睡眠中に簡単な呼吸器をつける方法です。中等症(一時間あたりの無呼吸数の回数が40以上程度)の方が適応です。
CPAP装置よりチューブを経由して鼻又は口につけたマスクに加圧された空気(陽圧の空気)を送り、その空気が舌根の周囲の軟部組織を拡張することで吸気時の気道狭窄を防ぐ方法。
CPAP装置は日本国内では保険診療として認められており、比較的安価で利用することができる。治療を要する方には対応可能な病院へ適宜紹介させて頂きます。
「いびき」は何科で診てもらうのか迷うことがあるかもしれませんが、耳鼻科の範疇で基本的にまずは耳鼻咽喉科で診てもらうのが良いでしょう。